デンマークドラマ『THE KILLING/キリング』がやっぱり面白いということを伝えたい。
先日、『THE KILLING/キリング』シーズン2を見終わりました。
やっぱり面白い。
シーズン1よりも更に面白い。
それはもう、絶望的に面白い。
シーズン1を見終わった時にも思わずその興奮をエントリーしましたが、今読むとまったく面白さを伝え切れてない(デンマークドラマ『THE KILLING/キリング』が面白いということを伝えたい。 - 変な映画を観たい)。
もっとこのドラマの面白さを伝えたい、伝えずにはいられない。
そうでなければ居ても立ってもいられない…!
ということで、このドラマの一体何がそんなに面白いのかを考えました。
特殊なストーリー構成
『THE KILLING/キリング』のストーリー構成は、この作品の面白さを語る上では外せない、最も特徴的な要素です。
ではどういった構成かというと、
1つの事件を軸にして3つのストーリーが同時展開される
というものです。
「いや、それ何となく聞いたことあるなー」とか「他にもなかったっけ?」と言う方もいるでしょう。
しかし、これが毎シーズンきっちりと、しかし複雑に描き分けられているドラマはありません(て、全ての海外ドラマを観てるわけじゃないけどもこれ以上に上手く作っているドラマは観たこと無い)。
1つの事件を全く違う3つの側面から語ることで、事件によって副次的に引き起こされる事件や悲劇、その関係性を描き、ストーリーをより立体的に魅せています。
ではその3つのストーリーとはどのように語られるのか?
主人公のパート:事件捜査
このシリーズの主人公はサラ・ルンドという女性刑事です。
彼女は優れた洞察力と鋭い直感を持ち合わせる優秀な刑事なのですが、事件にのめり込むあまり捜査が暴走しがち、という2つの側面があります。
そんな彼女も自分の欠点を自覚しているため、初めは捜査に非協力的なのですが(現場を混乱させてしまうことを懸念して)結局、巻き込まれるような形で捜査に加わる事から話が始まります。
この主人公・ルンドが巻き込まれる事件の捜査が、1つの刑事もののストーリーとして展開されます。
家族のパート:家庭崩壊の危機
また、ルンドが捜査する事件の被害者一家(シーズンによっては容疑者の一家)の話が同時に進みます。
その事件が「家族」という社会の中での最小単位にどのような影響を及ぼすのか?
また事件を引き金に、それまで見て見ぬふりをしていたこと、忘れたい過去などが丁寧に描かれ、サスペンスフルながらもヒューマンドラマ的な展開をみせます。
政治のパート:政界での心理戦
そして家族という最小のコミュニティが描かれる一方で、政界に及ぼす影響も同じように語られるのです。
事件を利用して選挙で出し抜こうとする議員や、あらぬ疑いを掛けられ政治生命の危機に陥る議員、また事件に関わる機密情報に翻弄される大臣など、政治家たちの心理戦や水面下での情報戦という、政治ドラマの側面も持ち合わせており、こちらも違う意味で非常にスリリングな語り口です。
この3つのストーリーが直接的に、もしくは間接的に関わり合ったりと、1つのドラマの中でクロスオーバーする瞬間がまた面白いのです。
そして、それぞれのストーリーや人物が複雑に絡み合うことで、何とも言えないもどかしさが生じます。
そう、このドラマは「もどかしい」のです。
ストーリー自体はスピーディに進むので爽快感がありつつも、それでもなかなかゴールに辿り着けないという「もどかしさ」が面白いのです。
結末を知ってしまえば非常に遠回り、もしくは蛇行しながら話が進んでいっているのが分かるのですが、その遠回りが快感になって来るという不思議な面白さが魅力です。
と、自分なりに考えてはみましたが、まだまだ語り尽くせた気がしないなー。
ひとまず、シーズン3も残っているので観てしまいたい。
だが観てしまうと終わってしまう…と思うとなかなか手がでない。
でも観たい。
やっぱりもどかしい…
そんなこんなでオススメです。
ドラマ「THE KILLING/キリング シーズン2 」予告篇 - YouTube