スウェーデン・デンマーク合作ドラマ『THE BRIDGE/ブリッジ』を観た方が良いよ
デンマークドラマの『THE KILLING/キリング』がとにかく面白くて大好きなんですが、
『THE KILLING/キリング』が面白いということを伝えたい。
『THE KILLING/キリング』がやっぱり面白いということを伝えたい。
全シーズン観てしまって他に何かないかと探していましたら、次はやっぱり『THE BRIDGE/ブリッジ』かな、と。
製作スタッフが『THE KILLING/キリング』同じとの事でそれはもう面白いハズ。
現在ではシーズン2まで観ることができます(シーズン3も現在計画中らしい)。
というわけで、何がそんなに面白いのか?ちょっとでもお伝えできると良いなと思って書きました。
【シーズン1】ストーリー概要
事件はデンマークとスウェーデンを繋ぐオーレスン橋の国境上に、切断された女性の遺体が遺棄された事から始まる。女性の遺体は上半身・下半身がそれぞれ別人で身元不明、またちょうど国境線上に遺体が置かれていたために捜査はデンマーク警察・スウェーデン警察の合同捜査となる。
スウェーデン警察のサーガとデンマーク警察のマーティンがそれぞれ捜査を開始するも、隣国とはいえ言語を始めとする生活習慣や国民性の違いによりどうにもかみ合わない。そんなちぐはぐな2人が協力しながら捜査をする最中、犯人からの犯行メッセージが届くのだが……
【シーズン2】ストーリー概要
あれから一年後、オーレスン橋で再度、奇妙な事件が起こる。
海峡を渡っていた1隻の船が航路を外れ、オーレスン橋の橋脚に衝突。その船内に鎖で繋がれていたデンマーク人・スウェーデン人の男女5人は、搬送先の病院でペストを発症し、その後死亡。意図的にペストに感染されたれたことからこれを殺人事件とし、サーガは捜査に乗り出す。また被害者にデンマーク人も含まれていたことからマーティンに捜査に加わるよう連絡を取るが……
と、概要はそんなところです。
『THE BRIDGE/ブリッジ』の面白さ(ロケーション、キャラクター、そして政治)
シーズン1なんて国境線上に遺棄された切断死体、というだけで興味をそそられます。
そしてなんといっても、すごく暗いし。
『THE KILLING/キリング』を観ているときも思ったけれど、画面自体がもう超絶暗い。
昼間のシーンでも常にどんよりとした雲に覆われていて寒々しく、画面がほとんどモノクロに見えるくらいの勢いです。
そしてストーリーの大半は夜のシーンで、その夜がまた暗い。
暗がりが漆黒といっても良いくらいです。
ロケーションひとつ取っても異国情緒ありまくりで、それはもうゾクゾクするわけです。
何か良くないことが起きているぞ、という感じで非常に雰囲気がある。
また、スウェーデン警察のサーガという人物像が特徴的で面白い。
刑事としては非常に優秀だけれども、言動が何となく、ちょっと変。
ストーリー上では何も言及されてはいませんが、彼女はアスペルガー症候群的なパーソナルしょうがいがあるようです。
そこら辺のキャラ設定を特に問題とせず、「そういう人」としてサラッとストーリーの中に放り込んでくる辺り、やはり北欧の人たちの国民性というか、懐が深い気がして好感が持てます(日本のドラマだったら絶対説明が入るだろうなー)。
そしてデンマーク警察のマーティンはプライベートを大事にする良き父であり良き夫。温厚で人当たりも良い。
この辺りも今まで知らなかったけれど、デンマーク人は温厚でおっとりした国民性というイメージがあるらしいですね。
その一方でスウェーデンは真面目で堅い印象らしいです。
北欧内でもやはり色々あるんだなぁ(勉強になります)。
更には『キリング』とも通じる話になりますが、やはり政治的なメッセージもいくばくか入ってくるのです。
ここら辺もすごく興味深い。
北欧の著名な作品は形態(映画・ドラマ・小説)を問わず、エンターテイメントと政治・社会問題の話はかなり緊密な関係性を持っているように感じます。
北欧の人たちの政治・社会問題に対する関心の高さが、それらをもエンターテイメントに取り入れようとする意識の高さに通じているのかもしれません。
北欧の方々からするとそれが当然で、特に意識高いことだとは思ってないのかもしれないですが。
しかし、こういったストーリーが普通にドラマで観られ、尚かつ面白いものとして提供されている事が素晴らしいなぁと言わざるを得ないわけです。
で、まぁ最終的に何が言いたいのかといいますと、もうこれはサスペンスとして最高な訳ですよ!
特にどちらのシーズンも最終話がスゴイ。
圧倒的な無力感に胸が押し潰されそうになるね…
兎に角まずは観て欲しい。
オープニングの音楽もまた最高です。
暗い…!!
こちらはデンマークのバンドChoir of Young Believersの「Hollow Talk」という曲。
無茶苦茶イイ………!
トマス・ヴィンターベア監督の映画、『光のほうへ』でも主題歌として使用されています(こちらも打ちのめされ系ですがお勧めです)。
てな訳で、冬の夜長に最適ですよ。
特に寒い日の夜中に観ると臨場感ハンパ無いと思います。
あ、あと、最後にもう一つ。
このドラマは舞台をアメリカ/メキシコの国境に置き換えてリメイクされているのですが(ザ・ブリッジ~国境に潜む闇)、正直言ってスウェーデン/デンマークの方が遙かに面白いという事だけはお伝えしておきますね(好みの問題かも知れないが…)。