ギャビン・オコナー監督作『ザ・コンサルタント』感想
ベン・アフレックが苦手です。
顔、喋り方、スタイル、その他諸々、どうしても好きになれない(ファンの方、すみません)。
クリスチャン・ベイルからバットマン役を引き継ぐと聞いた時の怒りと悲しみは筆舌に尽くしがたいものがありました(本当にすみません)。
もちろん彼が役者として、映画監督として、映画人として素晴らしい人だということは理解しているつもりです。
彼の功績は素晴らしい。
けどどうしても好きになれない。
自分でも不思議なくらいです。
なのでベンアフさんの作品を観るときはどうしても乗り気でない状態から入ることになってしまうのです。
そんな自分が『ザ・コンサルタント』を観た。
えーと、もうね、
最の高
ってやつですよ!!!
ああ、もう…本当に素晴らしいッ!
こんな良いものを見せてくれてどうも有り難うございます、って感じです!
今までのベンアフさんに対する自分の罵詈雑言について謝罪したいくらいのもんですよ!!
アメリカの良いところを丁寧に抽出し、時間をかけて生成した蒸留酒のような味わい深さです。
人間の多様性を受け入れる懐の深さ・広さ、家族や友人に対する愛情、しかしさっぱりとした人間関係、そしてどんな時もユーモアを忘れず(これは図らずも、という感じ)、そして誰かのために一肌脱いでやろうと言う心意気。
これがアメリカ流の“粋”!
トレーラーハウスひとつあれば、いつでも、どこへでも、好きなところへ行ける、こういう所もある意味ではアメリカンドリームって感じなんですよ。
金だけじゃない…
生き様がカッコ良くて泣ける。
特にラストはものすごい感動的でした。
観ている最中は話に没頭してしまいましたが、エンドロールを眺めている時にようやくじわじわと、その包み込むような優しさに涙が溢れてきたんですね。
こんな話だとは思っていなかったから尚更です。
限りなく優しい。
言葉では伝えられないくらいの愛情に満ち溢れていた。
世界中にヘイトが蔓延している今だからこそ、観たい映画と言えます。
エンドロールで掛かる"To Leave Something Behind"という曲がまた渋い、渋すぎる…
Sean Rowe - "To Leave Something Behind"
「何かを残していくよ」という曲です。
しみじみと、良い映画でした。
てな感じで、終わります。
そいではまた!
次回は『ネオン・デーモン』についてです!