変な映画が観たい

しがないWEBデザイナーです。映画と音楽とデザイン関連のこと適度に適当に書きとめます。

アテネフランセで「ソヴィエト・フィルム・クラシックス 冒険・SF映画編」を観ました

アテネフランセの壁はインスタ映えするらしい。
ためしにインスタグラムでアテネを探してみてほしい、インスタ女子がこぞってピンク色の壁の前でポーズを決めている。
すれ違う彼女たちは「ここって何のたてもの?」と楽しそうに笑っていた。

そんな君たちに教えよう。
「そこは語学学校だよ!!!」

と。


まぁ、そんなことはどうでもいい。
アテネでは映画も観れます。

でも日曜日はやってないし、最終上映の時間も早いので年に数える程度しか行かない。
だが、【ソヴィエト・フィルム・クラシックス 冒険・SF映画編】という特集が組まれていると聴き知ったので

「これは!!!!!」

と、テンションが上がって仕方がないのでわざわざお休みもらって行ってきました。

ソヴィエト・フィルム・クラシックス 冒険・SF映画編/上映作品解説

 

観た映画と感想は以下の通りです(観た順)。

宇宙飛行(1935年)

ストーリーはいたってシンプル。
最初の月旅行を目論む教授が慎重派の教授の反対を押し切り、助手や少年発明家らとともに有人宇宙飛行を実現する。
しかし色々あって大変、という感じの話です。

全体的な世界観がスチームパンクな仕上がりなので、それ系のデザインが好きな人にはたまらないと思います。
しかも本作のデザインをロケット工学の父ツィオルコフスキーが監修しており、科学的考証を踏まえた上でロケットや各種装置などを制作している、との事です。
実写撮影とミニチュア撮影を組み合わせた宇宙空間はキッチュですらある、けれど非常に好ましい可愛らしい作品です。


火を噴く惑星(1961年)

これは『インターステラー』で『オデッセイ』で『ターミネーター2』、しかもゴジラな上にウルトラQ、みたいな最高のやつでした。
「えっ、それはアナタの目がどうかしてたのでは?」と、思われるかもしれませんが、事実です。


妖婆・死棺の呪い(1967年)

こちらは一応ホラーにカテゴライズされる作品のようなんですけど「ソ連時代最初で最後のホラー映画」とのこと。
めっちゃ貴重。
でもホラーといいつつもかなりファンシーな仕上がりでした。
「ファンシーなホラー」……
楽しそうでしょう。
楽しかったです。


ルスランとリュドミーラ(1972年)

これもファンシー。
というか、ファンタジー。
童話みたいな話でした。
全体的にストーリーの展開が唐突なので心の中では「何でやねんッッ」と、関西人ばりのツッコミ、というか、合いの手を入れずにはいられない。

そんな映画です。
伝わるかなぁ。
伝わんねーかなぁ。
つまりは展開が謎。

 

死者からの手紙(1986年)

この映画が今年観た中の作品で1番面白いとさえ思った作品です。
絵作りが凄まじいクオリティ。
一体どこで撮影したらこんなカッコいい映像が撮れるのか?と、あまりの美しさに震えと鳥肌が止まらない。
まだまだこんな素晴らしい作品が眠っているのかと思うと、気が遠くなりますね。
生きているうちに、あと何本のこんな美しい映画に出会えるんでしょうかね、と考えるともうこっちが死にたくなりますね。
もう一度観たいけれどDVD化されてないでやんの!
バカ!
VHSもないので海外DVD買うか、もしくはようつべ的な所にありげ。


エバンス博士の沈黙(1973年)

こちらはSF映画で、いわゆるファーストコンタクト物です。
ちょっとファスビンダーの『あやつり糸の世界』を思い出した。
全然似てないはずなんですけどねぇ。

しかし老教授が若い女(宇宙人)にうつつを抜かして気が狂ったと思われる話のように見えました。
こうやって書いてみると最悪な話だね。
面白かったですけどね。


石の花(1946年)

これはファンタジー作品で、ルスランと世界観似ていました。
予想の通り唐突なストーリー展開にド肝抜かされるっつーか、謎展開にただただ「ほーん」と口を開けて見るしかないような感じ?
伝わるかなぁ。
伝わんないだろうなぁ。
自分でもよくわからない。
まぁでもそのようなおかしげな展開を楽しみました。
あまり普段目にしないような作品であったので。


ピルクスの審問(1979年)

こちらの作品はスタニスワフ・レムの短編連作集「宇宙飛行士ピルクス物語」の一編「審問」をアクション性を盛り込み映画化した作品。
スタニスワフ・レムといったら「ソラリス」ですが、こちらもけっこう面白かった。
しかしアンドロイドに対してこの時代(1979)で既に危機感を持っているところが興味をそそられる。
アンドロイドやAIといった人間に勝るとも劣らない知性に対しては、欧米を始めとする国々は昔から恐怖の対象として描かれていると聞いたことがあるけど、まさにそれ。
スタニスワフ・レムはけっこう好きなので短編も読んでみたくなった。
でも主人公の名前が「ピルクス」って、日本ではお馴染みの乳酸菌飲料ピルクル、もしくは美味しいおつまみにもなるピクルスを思い出して何となく集中できなかったのは内緒…。

 

全部で9本上映された中で、8本を観ることができました。
というかむしろ「なぜあと1本観なかったんだ?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
自分でもそう思う。
寝坊です。
リエータもすごく観たかった……
それだけが心残りです。

 

では、また。