『駄作の中にだけ俺がいる』、会田誠展『天才でごめんなさい』に行ってきた
去年の話ですが、映画『駄作の中にだけ俺がいる』と会田誠展『天才でごめんなさい』を見てきました。
作品自体に興味があるというよりも会田誠本人が非常に面白い人で、見ずにはいられないって感じ行ってきました。
その人は煙草をふかしつつ酒を飲んだくれて描いた絵を売るという、まさに芸術家(アーティスト)という言葉を体現したかのような人です。
子供の頃イメージしていた芸術家そのまま。その生き様に"ああ、かっこいいなぁ"と純粋に感動さえする勢いです。
※ ちなみにですが、この方の作品はかなりグロテスクだったり性的な表現が見られるので見る人を選びますので初見の方には下記作品はあまりお勧めしません。
という事でまず『駄作の中にだけ俺がいる』。
会田氏の制作風景を中心としたドキュメンタリー作品です。タイトルがキマってるなー、秀逸。
本人や奥様のインタビューもありつつも、彼らの日常を淡々と撮りためた感じ。
何となくのイメージで、会田さんの奥さんはスゴイ美人なんじゃないかと想像していたが結構普通っぽい人で逆に印象に残りました。
幼少期からの苦労の程を和やかに語っている姿や、文句をたらたら言いつつ自分の身長をはるかに超える馬鹿でかい絵を静かに描く後ろ姿、そして我が子に『絵なんて簡単なんだよ、描きたように描けばいい。そこにオレンジ色があればいいなと思ったらオレンジ色をそこに足せばいい。』、そんな風に語る言葉がかっこ良いことこの上ない。
いやー、さすがナチュラルボーン・芸術家と自分で言ってるだけある。
こちらの作品はおそらく上映終了してると思いますが、会田誠さんについてのドキュメンタリー作品は他にもありますので、興味がある方はどうぞ。
『≒会田誠 無気力大陸』動画 amazon(恐らくレンタルはない気がします)
一方、『天才でごめんなさい』。
こちらは六本木森美術館で開催。今までこんなに大きい場所で展示会やったの初ではないかなと。
絵画からオブジェ、映像作品、インスタレーション等々、作品の形態が様々。
コンセプチュアルアーティストなんですね。
こんなに大量な会田作品を一変に見るのは始めてなので、一つ一つのシリーズに統一感が無いようにも見えるのに、全体を通して見ると何となくまとまってる感じがするのは気のせいなんだろーか。
そこはかとない可笑しみと虚無感があるようで、グロテスクな作品までも笑えてくるような、妙な気分になります。
とにかく作風が様々で疲れたし、理解できたとは言えないかもしれませんが面白い展示でした。
でも年配の女性が『理解できない』等々不満を漏らしていたようで、一般的な評価はそういうものなのだなと温度差を感じた日でもありました。
また相田みつを展と勘違いして来た人も居たとか居ないとか…